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結局、単さんと朔夜さんと遼は相当な数のチョコをもらっていた。
龍司さんとエミールさんはあまり表に出ないせいか、数は少なめだったけど、いくつかもらっていた。
僕はもらえなかったけど、表に出ることが全くないから仕方ない。
そんなことはどうでもいいんだ。
僕は、樹からもらえさえすれば…。
僕も樹にあげるつもりではいるけど、できれば先に樹からもらいたい。
でも、そんな気配はないんだよな…。
もしかして、樹は帰国子女だから日本のバレンタインデーの習慣を知らなかったりして…。
一抹の不安を抱えながら、それでも表には出さないように、僕は樹と一緒に家に帰った。
部屋に行っても何もないから、僕の方から渡した方がいいのかと思い始めていたその時、樹が部屋から出ていった。
戻ってきた樹が持って来たのは小さな箱。
僕の向かいに座って、恥ずかしそうに差し出す。
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