強欲

2/66
前へ
/133ページ
次へ
◆ 冷たい雨が降り注ぎ街の賑わいは落ち着いている。 「おかあさん……おとうさん……おにいちゃん……」 賑わいから離れた静かな路地裏に、雨の中、傘もささずにしゃがみこんでいる一人の少女。 (’’ソン「……おなかへった」 腹の虫が騒ぎ出していたが、雨の音に掻き消された。 周りに少女の両親の姿はない。 (’’ソン「わたし……しんじゃうのかな……」 この少女は先程、両親に捨てられたのだ。 そんな少女を見ていた一人の女性。 「……もう少しで、助けがくるから、頑張って。諦めないで」 (’’ソン「おねえちゃん……だれ?」 少女は泣き腫らした目で女性を見上げる。 その女性は傘をさしていないにも関わらず、髪は一滴も濡れていない。 (゚、゚トソン「わたしは……」 言いかけた所で少女の姿が消えた。 (゚、゚トソン「!」    
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加