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冷たい雨が降り注ぎ街の賑わいは落ち着いている。
「おかあさん……おとうさん……おにいちゃん……」
賑わいから離れた静かな路地裏に、雨の中、傘もささずにしゃがみこんでいる一人の少女。
(’’ソン「……おなかへった」
腹の虫が騒ぎ出していたが、雨の音に掻き消された。
周りに少女の両親の姿はない。
(’’ソン「わたし……しんじゃうのかな……」
この少女は先程、両親に捨てられたのだ。
そんな少女を見ていた一人の女性。
「……もう少しで、助けがくるから、頑張って。諦めないで」
(’’ソン「おねえちゃん……だれ?」
少女は泣き腫らした目で女性を見上げる。
その女性は傘をさしていないにも関わらず、髪は一滴も濡れていない。
(゚、゚トソン「わたしは……」
言いかけた所で少女の姿が消えた。
(゚、゚トソン「!」
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