人斬り以蔵

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刀を持った以蔵は、月明かりを頼りに、野犬を追った。 追って追って追い詰めて、刀でいたぶる様に斬り殺した。 吠えたてる野犬が、傷を負う毎に弱り、最期は許しを乞う姿を見ると、以蔵はたまらなく興奮した。 其処で漸く彼は、自身が犬に劣ら無い事を、確認出来たのだ。 剣を極めた者は、皆、自身独自の修練法を編み出して居るが、以蔵の様な方法を執った者は、二人と居ない。
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