始まり

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このガタイのせいでせまっ苦しかった馬車の中で固まった肩や首周りを回して街道を歩いていく。 ゴキリゴキリと鳴らして付いたのはここらの地域では最も大きなレスタという街だ レンガ造りの家に石畳がひかれた道が走り、街の外側は簡単な石垣と見張り台が建てられている 街の入り口には衛兵が二人たち、入ってくるものに簡単な荷物の検査などを行っていた 俺が持っている物は大きな厚手の布袋一つだけ 「どうも」 衛兵に声をかけ、布袋を開けろと言われて中身を見せる 中には予備の衣類に換金用に残した貴金属、ほかにも細々としたものが入っている 「特に問題は無しと……ん? お前のそのピアス……何かの魔造品か?」 そういって俺の右耳のピアスを指差す 魔造品とはある特定の環境や生物の体内で生まれる物質を指し、大体が宝石のような形をしているので、このピアスのように色は透き通るような水色の宝石がはまっているものがそう見られるのは仕方がない 「まあそんなもんです」 「そうか、魔造品なんて高いものつけてるんだからそれなりに強そうだな。まあとにかく街でトラブルは起こすなよ」
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