[詞] 彼とあの子の夏のコト [ひわ]

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…校門? 校門って、あの校門?? 画面見つめて少し考え、 「まさか」と思って窓に駆け寄り身を乗り出した。 遠くに見える、件の校門。 下校して行く生徒の波の中に、数人の男性教師が輪を描くように立って居る。 そして輪の中心には、 いつもの前髪で見えないながらも困った顔の、見慣れた姿。 陶芸家か何かを思わせる、その出で立ちは……こう言っては申し訳ないが、「欲目」越しでも浮いている。 見慣れた ひわでもそうなのだから、 先生方の目には、さぞ不審に映っているだろう… 取り囲まれてなお、頭ひとつ飛び出て見える彼… 「件の先輩」。 姫島 詞が立っていた。  
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