黒猫と交響曲

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猫だ、と、思った。 真っ黒な髪と、真っ直ぐな目が、すっかり大きく育ったうちの子とそっくりだと思ったのだ。 「猫だ」 「は?」 思わず呟いた俺の言葉に、斜め前の席に座る相羽が反応した。 動物に好かれやすい彼だが、どうやらうちの『姫』のお気には召さなかったらしい。 毛を逆立てて威嚇されている彼を見て、どこか滑稽、というか、愉快になった覚えがある。 ひどく落胆する彼に、「こいつは『たらし』が嫌いなんだ」と言って、心の中で笑ってやった。 ちなみに、別に俺は相羽が嫌いだとか、そういう訳ではない。 「どこが猫だよ、よく見てみろ」 そう言って、黒板の方向を相羽が指差すので、彼の言う通りよく見てやった。 担任の紹介を、まるで他人事のように聞いている彼は、小さくため息をついていた。 やっぱり、猫だ。 .

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