これは私の妄想です。

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これは私の妄想です。

お久しぶりです。 初めましてもいるかな? あたしの名はクリス。大学生で、某大学の文学部、史学科で勉強しています。 あ、何か今、金髪の青い目をした美人留学生が日本人以上に日本文化に興味津々なそういう萌え萌えしたイメージ抱いたでしょ。 確かに金髪だけどあたし日本生まれの日本育ち。がっかりさせないように先に言っておきますね。 今日はあたしと妖怪さんとの、別に心あたたまらないふれあいについてお話します。 あたしは大学一年生で「地域歴史ゼミ」というものに入っています。単純に郷土史だけでなく考古学や文化伝承、言語や産業・経済など、地域てのは建て前で地域を通せば何でもござれていう超テキトーゼミ。 ホントは二年からなんだけど「入って活動するくらいなら別にいいよ~」とテキトーな教授により飛び級推薦(酒の勢いもあって先輩の話聞いてたら「そのゼミに入りたいです!」て言ってしまって、そんな感じになってしまって、先輩から推薦ていう意味なんです)してしまい、今回初めてゼミ旅行に参加しました。 あたしは地域の文化伝承を調べてたら、妖怪というのにヒットしちゃいました。 超、大ヒット。妖怪てなんでこんなにキュート(魅力的)なんでしょう。 妖しげで、こっけいで、よく見ればリアリティあり、だけどファンタジーで。 あたしは地域の妖怪の伝承を読む度に、それを絵にしたりどういう環境からこのような化け物さんが生まれるのかにはまってしまい、ゼミの研究発表会にはその妖怪について地域ごとに発表したのですが、先輩がたは「妹のカワイイ戯言」みたいな感じなのでとても不満でした。 最初にやった、ラフカディオハーンに出てくる妖怪について発表しても、ろくろっ首のときは「あー首長族首長族」とか、「ラフカディオハーンは日本の着物になれてないから、広い襟から出た白い首がことさら長く見えたんじゃね?」とか、のっぺらぼうのときとかは「それこそ白粉(おしろい)の塗りすぎじゃねぇの」とか「梅毒やらい病患者だったりして」とか。 極めつけは「妖怪なんて人間の恐怖心と想像力が生んだ架空のフィクションなんだよ」やら「伝承ってもオヒレハヒレついてさ。ハラホロヒレハレな感じになっちゃったものも多いんじゃね。」とまで、さんざんの言われようで泣いてしまいました。 「よしよし、よく発表できたよー。」 「こんなんで泣いちゃダメだよ
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