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見えない物体
10数年前の出来事です。
昼下がり、下の居間で義母と雑談をしていました。どれぐらい話しをしていたでしょうか?
会話が途切れて一瞬、しんとした時…………。
2階の部屋から「コーーーン」という音が聞えてきました。
二人で顔を見合わせていると「コーーン、コーン、コンコンコン………。」と断続で音が聞こえてきたのです。そう、まるで高い所からスーパーボールを落としたかのような音。
私「何の音かなぁ?」
義母「スーパーボールじゃないの?」
私「そうかなぁ?」と話しながら二人で2階へ上がって行きました。音が聞こえてきた部屋へ行き、床を見回すも何もありません。何処かへ転がっていったのではと言う義母もアチラコチラ見回すが、やはり、何もありません。結局、二人揃って首を傾げながら下へ降りていき、またお喋りをはじめましたが、私は頭の中でさっきの音の事を考えていました。
長女が謝って飲み込むといけないのでスーパーボールはひとつもありません。
でも、あの音は誰が聞いてもスーパーボールが弾む音でした。
未だにあの音はなんだったのか解りませんが、この話しを思い出す度に何故か、同じ半袖に短パンの男の子が浮かんでくるのです。
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