闇へのいざない

高校生から現在まで

それは高校１年生の夏に体験しました。 （私は定時制に通っていました。）
その頃は彼氏もいたのですが、その人と付き合う前に１週間だけ付き合った人がいました。理由はちょっと書けませんが、決して嫌いになって別れた訳ではありません。
その別れた人を仮にＡ君としておきます。Ａ君は姉の彼氏と同級生ということもあり、ほぼ毎日顔を合わせる事もありましたが、お互い普通に接していました。
そんなある日。
休み時間に姉や彼氏、先輩達とお喋りをしていたのですが、 ふと「最近、Ａ君みてないなぁ。」と本当に何気なく思ったのです。
先輩に聞いてみようかと思ったその時。 校内放送が流れてきました。
「２年〇組のＡ君が友人と海水浴に出掛けた帰り道、電柱にぶつかる事故にあいました。Ａ君だけシートベルトを着用していなかった為、電柱に衝動した衝撃で 彼は車外に投げ出され、病院に搬送中に亡くなりました。」と…………。
お喋りをしていた全員が黙り込み、顔を見合わせていました。私は頭の中が真っ白になり、その日帰宅するまでの行動や御通夜、告別式の時間等もどうやって知ったのか、記憶がありません。

翌日、授業が終わりそのままＡ君の家に行きました。
彼のお母さんは御遺体の横に座り、私達を見ると静かに眠る息子に「学校のお友達が来てくれたよ。」と話しかけ、私達に「顔をみていってあげてね」とおっしゃってくれました。 時間も遅かった為、すぐにＡ君の家を後にし、姉と重い足取りで帰宅しました。