第一章

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  午前2時の誰もいない公園の片隅。暗がりに浮かぶ自動販売機の前。エンジンガードに備えた携帯灰皿で煙草を消した。 ジェットヘルを被り、首を横に振って、しっくりと合わせてから片方ずつグローブをぎゅっと嵌めてアクセルをひとひねり―。    ドッドッドッ~ン! きらびやかに輝く二本だしのフィシュッマフラーから吐き出される高濃度の排気ガスは、ある意味自由を連想させた。そしてバンク角45度の三拍子がずっしりと下っ腹を突き上げてくる。軽やかに吹け上がる排気音はエンジンの調子が整った合図だ。    ガッシャン!…ドコドン…ドコドン… ウエスタンブーツの踵でギアを一速へ落とし午前2時の夜道を僕は走り出した―。  
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