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「あほだな」
鼻で笑いながら向かいに座る猛がぽそりと言った。
「Aランチスペシャルだよ、あれ。ひっくり返さなくてよかったな」
食堂で一番高いメニューだ。
それで? と猛は促した。
「サッカー部のことはあんまり詳しく知らねーけど、俺も隆平と同じだな。レギュラー入り話だと思うよ?
今までだって、何度かあったんじゃねぇの?」
「まぁね」
「なんで断ってんの?」
「………」
僕は曖昧に笑うことしかできなかった。
「…ま、何となくわかるけどね。
ていうか、今ので何となくわかった」
けどさ、と猛は続けた。
「もう断れないと思うよ。
だいたい、監督の命令は絶対じゃねぇの?
お前みたいに自分の都合ばっかり優先させるチームってなんだよ?
そんなんで成り立ってるとは思えねぇし」
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