8人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「それじゃ、お前…。
俺が休みやるっつっても無理なんじゃねぇか!!」
「夏休みまるまる使ってでも、捜すつもりだったんです!」
監督の勢いにつられて優也もつい大声を出してしまった。
室内に残っていた先生たちがみんな僕らに注目していた。
僕は耳の後ろを掻いた。
かなり恥ずかしい。
「悪いが、却下だ」
ひとつ、大きなため息を吐いて、監督は言った。
「そんな理由じゃ、休みはやれない。
お前のは単なる自己満足だ。
違うか?」
「………」
そうだ。
わかってた。
自己満足だとわかっていても、行きたかったのだ。
かなちゃんを捜しに。
最初のコメントを投稿しよう!