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「俺、エビチリと~餃子と、チャーハン!! 大盛ね!」
「僕は天津飯とシュウマイと唐揚げで」
よく行く中華料理屋でオーダーを終えると、隆平はグビッとお冷やを飲んだ。
僕はおしぼりで手を拭きながら店内を見渡した。
平日だが仕事帰りのサラリーマン風の男性たちで賑わっている。
学生の僕らの方が目立つくらいだ。
「優也、昼ラーメン食ってたよね。ここじゃない方がよかった?」
「いや、いいよ。別の頼んだし」
「そ。 それでー? なんの話だった?」
「次の練習試合、スタメンだって」
「やっぱりー! んで? 出るの? 試合」
「出るよ」
「おおっ! ついに。どんな心境の変化?」
「………」
「いや、普通部活でさ試合出して貰えるってなったら嬉しいじゃん?
優也ハナからそんな気なさそうだったし、試合出ないって入部前から言ってたし」
「部活やってる以上は、僕の都合ばっかり優先できないから」
「あ、もしかしてまだ納得してない感じ?」
「てゆうか、諦めきれない感じ」
「俺ら、ちゃんとわかってるから。優也がなにかを犠牲にしてくれてること」
「うん」
「それがなにかまではわかんないんだけどさ。
ぶっちゃけ、評価されてんのに辞退すんのもどうかと思うし。そんなん、出たいのに出れねぇやつに失礼だろ」
主に俺とか! と主張する隆平に笑いが込み上げた。
「ふっ、そうだな」
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