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じいじ(安彦)とばあば(千鶴)にはこどもがなく、ゆいは神様から授かった宝物として、家に迎えられました。
そうして、ゆいはじいじとばあばに目に入れても痛くないほど可愛がられました。
じいじは若い頃から口数が少なく、見た目も真っ黒に日焼けした肌に、ごつい大きな体で、眉間には皺を寄せ、一見怖そうな顔立ちです。
仕事の影響なのですが、言葉遣いは決していいとは言えません。昔から喧嘩っ早く、その時のものか、仕事で負ったものかわからない傷が体のあちこちに見られます。
仕事場では、解体屋一筋でやってきた職人気質の親方として、口数は少ないものの、皆から慕われ尊敬されています。
仕事に真面目で、一切妥協を許さない厳しい親方で、このあたりでは難しい技のいる解体や、他の解体屋が途中でできずに逃げ出した物件をお願いできる唯一頼れる親方です。
そんなじいじも、ゆいが来てからは穏やかで優しい笑みがでるようになりました。
特にゆいの話がでると、しわしわの顔にさらに皺を寄せて、にたっと笑います。
ばあばは肝の据わった女で、若い頃から男顔負けの発言と行動力で、じいじと同様に、困っている人を放っておけない、おせっかいなくらい温かい人です。
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