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「全く、アンタの悪い癖だよ?熱くなりすぎると周りが見えなくなるところ」 はぁ…とため息を吐きながら、恥ずかしくて俯いた私の頭を撫でてくれる馨。 何だかんだ言いながら、私は馨が大好きだ。 「まぁ、さっきはあたしの言い方が悪かったもんね。早絵、ゴメンね?」 「ううん、私の方こそゴメンね」 お互いに目を合わせて微笑んだ。 馨のこういう、さっぱりしているところも私は大好きだ。 「…あのさ、話は変わるんだけど今日の放課後って早絵、暇?」 「ん?どうしたの、いきなり。まぁ、暇っちゃあ暇だけど……」 「ちょっと、つき合ってくんない?」 いつもの馨とは違って、控えめな頼み方。 一体、どうしたっていうんだろ? 断る理由も無いから、私はいいよって軽く答えた。 「それじゃあ、放課後迎えに来るから!」 そう言って、馨は自分の教室に戻っていった。 馨だけじゃなく、他の友だちもそれぞれの教室や、席に戻っていった。 私も次の時間を終え、席に着くと午後の授業開始を知らせる鐘が鳴った。 .
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