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旅立ちまで
いつからか徐々に衰退していたこの世界―――
人類未踏の地が山とあるこの蒼い小さな星に、終わりが見えたのはもう何百年も前の話だった。
人類は、幼い星に負担をかけすぎたのだ。
資源の枯渇、奪い合い、自然災害―――
人類はまるで必然のように数を減らしていった…
それに反して数を増やしたのは、人類が魔者と呼ぶ種族。
星を信仰し、人類より遥かに身体能力が高く、独自の文化を築く彼らは、最初から人類を敵視していた。
まるで、人類が星の敵であるかのように。
超常的な力を扱う彼らに対して、
人類は、科学で対抗した。
住居や身を守る結界
彼ら魔者を屠る武器
世界に漂う元素に干渉し、魔法のような現象―――魔術も起こした。
…されど、それはさらに衰退を促進させた。
等価交換の彼らの力と違い、人類のそれは奪うだけのものだったからだ。
人類はそれに気づけなかった。
世界は、人類に様々な恩恵を与えてくれていたのに…
人類は世界に何も返さなかった。
その結果がこの衰退というなら、僕らは―――
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