第2章

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「……で。愛しの土方さんに現代でも会えたのに、余計な事ばかり考えて何も話せなかったんだ。」 「違うもん。土方さんじゃなくて、相川先輩だもん。」 昨日、あれから俊也と共に帰った珀月だったが、緊張のあまり、何も話せなかったのだ。 朝、何故か迎えにきた光輝に昨日の事を聞かれ、すべてを話したのだが、呆れた顔をされてしまった。 唯一、幕末での記憶をすべて覚えている光輝。 現代に戻ってきた珀月を心配して、こうして朝から珀月の元へと来たのだが、それはどうやら正解だったようだ。 「まぁ、そうだろうとは思ってたけどさ。だって、綾瀬ちゃんは過去のみんなと離れたのはつい最近でしょ。あの頃の綾瀬ちゃん、辛いこともあっただろうけど、土方さんの話をしている綾瀬ちゃんは本当に幸せそうだったもん。だから、尚更辛いよね。」 確かに、あの頃の私には幸せと呼ぶには、あまりにも悲しすぎる出来事もあった。 でも、それでもやっぱり土方さんの隣に居れたことは幸せだった。 ずっと側に居たかった。 ……もう、どうしようもない事だけれど。 .
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