13人が本棚に入れています
本棚に追加
入隊式は廊下を少し歩いた先のホールで行われた。椅子はホールを埋め尽くすほど置かれている。新入隊員と思われる人達が用意された席に座っていく。
私はゆっくりと空いている席に詰めて座った。しばらくして、若い男の人の声でアナウンスが流れる。
「……お静かにお願いします。これより、第五百回、鬼狩入隊式を始めます」
私の横で同じ年くらいの女の子達がお喋りをしている。それに司会者は気づいたのか「私語は謹んでください」と、変わらない声で言った。その声に、女の子達は恥ずかしそうに前を向く。
(楽しそうだな)
私はそう思った。自分にはその行為の意味が理解できなかった。あの子達は何故鬼狩に入ったんだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!