鬼を狩る組織

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 入隊式は廊下を少し歩いた先のホールで行われた。椅子はホールを埋め尽くすほど置かれている。新入隊員と思われる人達が用意された席に座っていく。  私はゆっくりと空いている席に詰めて座った。しばらくして、若い男の人の声でアナウンスが流れる。 「……お静かにお願いします。これより、第五百回、鬼狩入隊式を始めます」  私の横で同じ年くらいの女の子達がお喋りをしている。それに司会者は気づいたのか「私語は謹んでください」と、変わらない声で言った。その声に、女の子達は恥ずかしそうに前を向く。 (楽しそうだな)  私はそう思った。自分にはその行為の意味が理解できなかった。あの子達は何故鬼狩に入ったんだろうか。
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