13人が本棚に入れています
本棚に追加
総司令挨拶で出てきたのは、白いウェーブがかった長い髪に金色と蒼色のオッドアイの男性。彼は私達に向かい礼をして檀に上がると真っ直ぐに前を向いた。
「総司令は体調が優れないため、私がご挨拶させていただきます。医療班班長、クロード・インフェルノと申します」
長めの挨拶の中、隣では女子達がまたお喋りを始めている。頭が痛い。頭が痛い。ここは鬼狩なのに。鬼狩の入隊式なのに。
「出てけ。そこの三人。私語は慎めと何度も言った。そんなこともできないならここにいる必要はない」
ホールが静まり返る。その声は、先ほどまで司会をしていた青年だった。真面目そうな表情を崩さずに、自身の赤い長い髪と同色の赤い瞳をギラつかせながら部下と思われる人に指示を出す。
部下達は迅速に、抵抗する三人を無理矢理ホールの外に連れ出す。
「申し訳ありません医療班班長。続きをお願いします」
最初のコメントを投稿しよう!