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沖縄から帰ってきて、数日…。
行く前と、変わった事が、幾つかある。
一つ目は、千秋が、とても仕事に意欲的で、何事にも、前向きに、取り組むようになった事。
二つ目は、俺の隣の席が、空いた事。
横山は、丸岡に帰らせて、必要な時だけ、事務所に来させるようにしたからだ。
三つ目は、谷口と横山が、付き合い始めた事。
沖縄での最後の夜、あの部屋で、あいつらが、どんな話をしたのか、何があったかは、あえて聞いてない。
他人の色恋に、首をいつまでも突っ込むなんてのは、野暮だろう?
まあ、谷口の口ぶりだと、横山に、完全に、骨抜きにされてるっぽいな…。
俺の千秋に対する態度が、甘々だなんて、散々言ってた癖に、あいつの方が、俺以上だろうが…激甘としか、言いようがない…。
X'mas明けに、谷口と横山どっちも来るから、ある意味、楽しみだな。からかいがいがある…。
俺は、あの4日間で、何が変わったのか…?
自分じゃわかんねぇな…。
そのうち、なんか形になるのかもしれないが…今は、まだ、見えない…。
さて、今は、目の前の仕事を片付けますか。
せっかく、千秋が、やる気に、なってくれてるんだしな…。
受話器を上げて、ダイヤルする。
呼出し音は、きっかり3回、いつも通り。
「…もしもし、高見沢?速水だけど。
…また、千秋の仕事、頼めるかな?
…ああ、そうなんだ。お前の評判は、上々だよ。
と、言うことで、次も、お前に頼みたい訳なんだ。
…引き受けてくれる!THANK YOU !持つべきものは、親友だなぁ。
…勝手に、親友扱いするなってか?
まあまあ、そんな固い事、言うなよな。
…次は、2冊同時なんだけど、出来るか?
…出来るに決まってるって、悪い、悪い。
…うん、そうだ。
…別々の出版社なんだ出すのは。だけど、テーマとコンセプトは、共通にしてある。ある意味、2冊で、一つの話みたいな感じ。
…よく企画通ったなって、俺を、誰だと思ってんだよ?
俺達の実力だ!
…それで、昼からいるのか?資料持っていくわ。
…ん、それじゃあ、夕方5時、お前の仕事場な。」
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