678人が本棚に入れています
本棚に追加
「嬉しいな!昴ちゃんに、信用されたわけだ、俺。」
手放しで、喜んでいる谷口を見て、ちょっと心が痛い…。
「速水にばれたら、絶対、怒られるのは、俺じゃなくて、昴ちゃんだよな…。
うん、そうだ。…帰り、ちょっとだけ、俺と、お茶しないか?
別の場所がいいよ。速水に、わかんない所でさ。」
昴は、ちょっぴり警戒する…。
「…公私混同は、しないよ、俺。
デートなら、改めて、別のなんにもない時に、申し込むよ。」
「えっ?…それは…。」
「だから、言葉通りだよ。公私混同は、しません。
仕事は、仕事。恋は、恋。
今は、仕事の事で、昴ちゃん、悩んでんだろ?
わざわざ、俺に、相談してくれたんだから、その事については、きちんと、対応しなきゃ。
そうでなきゃ、この仕事の先輩としても、大人としても、むろん、男としても、情けないよ…。
それに、俺は、速水みたいに、公私の区別なく完璧にこなせる程、器用じゃないからね…。」
「…ごめんなさい…私…馬鹿だから…谷口さんの気持ち、きちんと理解できてなくて…。
私から、相談持ち掛けたのに、警戒するような態度とって…。
本当にごめんなさい…。
改めて、お願いします。
私の相談に、のってください、谷口さん!」
昴は、今度は、真っすぐに、谷口の顔を見れた。
「OK!…じゃあ、どこにしようか?待ち合わせ?」
少年の様な笑顔で、谷口は、笑った。。
最初のコメントを投稿しよう!