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「頭、冷やしてくる…。」
そう言って出てきたんだが…。
はぁーっ
息を、手に吹き掛けて、こする…さすがに、11月ともなると、夜は、冷える。
「あっ…煙草…置いてきちまったか…。」
履いてるジーンズのポケットをまさぐるが、煙草を買うには、ちょっと足りなかった。
速水は、仕方なく、その辺を、一人でぶらりと回る事にした。
しばらく歩いて、事務所の近くの公園に、戻ってきた。
入口近くの自販機で、温かい缶コーヒーを買って、誰もいない公園の片隅にある、ブランコに、腰掛けた。
「何やってんだろうな…。俺…。」
大人げない…。
確かに、千秋の最近の言動は、度が過ぎてる…だけど…。
ああ、もう!なんか、俺まで、おかしくなりそうだ!
はぁ~…。
俺達、勢いよく走りすぎたのかな…。
この1年、いろんな事が、ありすぎた…。
いろんな事が、一気に動いた…。
結果的に、思うところに着地は出来たけど…ちょっと、無理しすぎたのかもな。
今になって、そのひずみや歪みが、一気に、二人に襲い掛かってるのかもしれない…。
やっぱ、気になる…帰ろう…。
ほっとけばいいのになぁ…俺、やっぱ、甘すぎるのかな…。
泣いてんじゃないだろうな、あいつ…。
千秋が、心配になり、結局、戻る速水だった。
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