PRESENT

26/53
前へ
/216ページ
次へ
木枯らしが、体を縮こまらせる…。 「…うぅぅ…寒っ。…もう12月だもんね…。」 「大丈夫か、千秋?」 「うん、これくらいは、平気だよ。…そう言う、彰は、大丈夫なの?」 「ああ、去年、千秋にもらった、このマフラーのおかげで、ほかほかだぞ。」 「…よかった。ちゃんと、役立ってるね。」 二人が、目指していたのは、とある旅行会社の営業窓口。 「…すいません、前田さんは?…あっ、いたいた。」 「前田さん!」と、名前を呼んで、速水は、おいでおいでをする。 「速水様!…いらっしゃいませ。こちら、奥様ですか?」 「ああ、そうだよ。…いつも、急で悪いんだけど、沖縄までの飛行機チケットと宿、取れるかな? 恩納、本部、名護辺りで、2泊した後、那覇で1泊。 X'masまでなら、いつでもいい。 部屋は、男女1名ずつ、連れがいるから、ツインかダブル1部屋と、シングル2部屋。 もしくは、ツインを2部屋取れるかな。」 カチャカチャカチャ… PCのキーボードを操作して、データを入れていく。 「この時期、混み合ってますから…飛行機の席は、バラバラになりますが?」 「…構いません。」 「…あった。名護市で、ツインルーム2部屋、連泊なんとかいけそうですね。 那覇の方は…。別々のホテルなら、ツインルーム、いけそうですけど…。 一緒のホテルとなると、後は、スイートしかありませんね、空いてるのは。」 「…じゃあ、スイートで、お願いしていいですか?」 「承りました。」 しばらく待つと、前田が、数枚の紙と、チケットを、用意して、戻ってきた。 「…12月15日のこちらが、羽田から那覇までのチケットです。 …12月15日から17日まで、名護市内のこちらのホテルに、ツインルーム2部屋。 …17日から18日まで、那覇のこちらのホテル。スイートルームで。 中は、寝室が、3つありますので、ご希望には、添えていると思います。 …で、18日のこちらが、帰りの那覇から羽田までのチケットになります。」 「ありがとう。これでいいよ。」
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

677人が本棚に入れています
本棚に追加