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翌朝…昴の部屋から、自分の部屋に戻ろうとして、足が止まる。
「…おはよう。速水、早いね。」
「おぅ!…朝帰りか?」
「なんだよ、それ…。
ここは、全部で一つの部屋なんだろ。
それに、外から帰って来たんじゃないし…。
断じて、朝帰りじゃない!
わかったか、速水!
…痛てて。」
また、頭痛がする…。
完璧な二日酔いだ…。
「…ふん、二日酔いかよ。弱っちいな。」
「まさか、とは、思うが、どうもないのか?速水…。
あんなに飲んだのに…。」
「鍛え方が違うんだよ、そこらの奴らと、一緒にすんな、俺を…。
ところで、まあ、聞かなくても、その様子だと、…落としたか。」
「違う…。」
「はあ?」
「落としたんじゃなく、落とされた。完璧に…。
俺、ダメだわ…。
あんなウルウルした瞳で、じっと見つめられて、好きとか言われたら…。
あんなの常に、やられたら、色んな意味で、俺…もたねぇ…。
お前が、千秋ちゃんに、甘い理由、身を持って、わかったよ…。」
「それは、よかったな。今日からは、仲間だな…。」
「…なんの?」
「自分で、考えろ。」
「訳のわかんない仲間なんかには、ならないからな。…入って欲しけりゃ、俺を、納得させろよ。」
沖縄の最終日…。
いつもとちょっとだけ違う日常が、この時から、始まった。
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