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「…ここで、二人でX'masしようよ。」
「本当に、いいのか?」
「うん、いいの…。」
今年のX'masは、結婚して初めてだったし、プロポーズから、ちょうど1年だったから、去年と同じホテルに泊まって、記念の夜を、過ごそうと、思っていたのだが…。
千秋は、この部屋で、二人で過ごしたいと言う…。
「だってね、せっかく沖縄まで行ったんだもん、感動が、薄れないうちに、原稿上げたいんだ。
それに…今、頑張ったら、お正月ゆっくりできるでしょ。あたし達も、谷口さん達も…。」
「…千秋は、やさしいな。本当に。」
速水の手が、千秋の頭をやさしく、撫でた後、ぽふぽふとする。
「ウフッ。…久しぶりにされたら、なんか嬉しいな。」
「でもなぁ…、ギリでホテルのキャンセルは、ちっとばかり勿体ないな…。」
そう言って、どこかに電話を掛ける。
「…和樹か?俺だ。
X'mas、郁美と過ごすんだろ?
予定は決まったのか?
実はな、仕事の都合で、X'mas予約してたホテルに、行けなくなったんだよ。
それでな、よかったら、お前ら、使えよ。
宿泊費こっち持ちだから、心配しなくていい。
俺と千秋からのX'masプレゼントみたいなもんだ。
どうだ?…了解した。
明日、来る日だろ?
じゃあ、その時に、詳しくな。」
電話を切って、ニコッと笑いながら、千秋に、報告する。
「…と、まあ、そう言うことで、ホテルは、和樹に使わせる事にした。」
「…和樹君は、いいとして、郁美ちゃんのご両親からOKでるかしら?」
「そこは、それ。俺が、誘ったんだから、上手くやってやるさ。
…和樹にも、ちゃんと、大人の階段昇らせてやんないとな。いろいろ相談されてるし…。」
「…いつぞやの、男同士の話ですな。けじめが、どうとかって。」
「覚えてなくていい事、覚えてんだな、まったく…。ほれ、仕事、仕事!」
「はぁ~い!」
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