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笑い声と、明るい口喧嘩の声が飛び交う。
ティファは目の前の果物に視線を落とし、いつかラファエルもこの輪の中に、と無意識に思ってしまう。
「・・・彼は、また来てくれるかな?」
騒がしいアルバートとリオーネをよそに、クリフがティファに優しく問いかける。
ティファは視線を上げ、クリフへと移す。
クリフもエルガも、優しく微笑んでいた。
ラファエルは、きっとここへ来てくれる。
そしてみんなに紹介しよう。
新しい仲間だ、と。
ティファは満面の笑みを浮かべ、自信を持って二人に応える。
「きっと来るよ。」
その答えに満足したかのように、釣られてクリフとエルガにも満面の笑みが浮かぶ。
新しい仲間を歓迎しよう。
悲しい過去を背負う彼を、仲間とともに支え、新しい道を歩いていこう。
ティファは一息つくと、外の空気を吸ってくる、と言って席を立つ。
一歩店の外に出ると、酒で火照った頬に心地よい夜風が当たる。
空を見上げると満点の星。
そして真上には、つい先日その姿を見せていたかつての満月が、今ではやや欠けて控えめに輝いている。
初めて彼を会ったときのことを思い返す。
まるで目に映る全てのものが敵であるかのように、荒々しく吹きすさぶ風のようだった。
しかし今は。
森で別れたときの彼は、そよ風のように柔らかく優しく、静かな風を纏っていた。
新しく虹の色に加わってくれた彼は、今どこで何をしているのだろう。
ティファは月を見上げ、共に戦った仲間のことを想っていた。
ひっそりとした街の外れ。
いつにも増して騒がしい酒場から明るい声が漏れる。
今日も、平和な夜が更ける。
そして、アルバートとリオーネの仲の良い口喧嘩は、遅くまで続いていた。
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