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――――――時々思い出す。
小さい時に見た、親父と、かあちゃんの変わり果てた姿。耳鳴りの様に離れない、両親の苦しむ声。
それはとても非現実的で、小さいときの俺は、ずっと醒めない夢を見ているのかと思ってた。
けれど、だんだんと冷たくなってゆく親の体を抱きしめているうちに、何だか現実のような気がしてきて、一気に絶望の波が押し寄せてきた。
これは現実。
曲げようのない事実。
変えられない運命。
二度と笑いかけてくれない、亡きがら。
俺が小さかったから、とかそんなもの関係ない。
大好きな母ちゃん達も守れなかった、その事実と俺の無力を改めて知った…――――
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