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―――。
声が止まった。
「無線機…」
「黄金…」
暗闇の中で、俺と慎二の静かな声が重なった。
すると今聞いた通り、目の前が明るくなり、何やら白い台が現れた。
その上に黒い物が並んでいる。
自分たちの足元にも光が当たっている。
が、それぞれの顔は見えない。
「無線機?」
香緒の声が台の方へ進む。
追って優也も慎重に近づいてみる。
すると台の前で5人の顔が見えた。
「あ~!」
皆が驚いて顔を見合わせる。
「これだ…無線機。とにかくこれを持とう」
俺は言った。
みんな無言で頷き無線機を手にする。
驚いたことに、なんと無線機が人数分、ちょうど6個あるのだ。
まずこの事実に皆言葉を失っているのだろう。
優也も同じだった。
「うわ!」
鈴奈が突然声を上げた。
カラーの扉が現れたのだ。
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