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君はなんとか両脚だけで立ち上がり、右足で大木をひと蹴りした。
運良く果物は落ちてきた!
だが、コロコロと転がって、君の手の届かないところに落ちた。
鎖につながれていては、取りに行くこともできない。
人が通りかかったら取ってもらうことにしよう。
カラスがまたやって来ないことを願った。
三叉路の道の先を順番に見渡しながら、人が通りかかるのを待っていると、左の道から男が歩いてくるのが見えた。
何も持ち物は持っていないようだ。
男は君の姿を見ると、目をそらして避けるように道の奥を歩き始める。
やがて、目の前を通りかかろうとした。
何かを頼むなら今だ。
そこに落ちている果物を取ってくれ
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鎖をなんとかしてくれ
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