第四話 焦げちゃうくらい熱い夏

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「……あ、ありがとう、ございました」  顔を上げると、ヤマダさんは涙を流して頭を下げていた。その隣で、奥さんも。きっと何か、気持ちの整理が出来たんだろう。この人達のこれからも、穏やかな生活でありますように。 「ふむ、二人ともこれからしっかりせ、い……」 「あ、あがっ」 「まあまあ、大変!」  ってやよいさん、やっぱり無理してたんですかせっかくカッコよく決まったのにそこでぶっ倒れるとか台無しにも程がありますから。  そして、僕は人間タクシーという残酷な現実を突きつけられたのだった。
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