無題2

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無題2

気がつけば 闇の中さすらい 火がつけば 大河を恐れる 私のバッチは道に落ちてた蝉の抜け殻 あなたのペンダントは割れた右の義眼 気がつけば 愛の中さすらい 居なくとも 母を恐れる 私の挨拶はくぐもった「助けておくれ」 あなたの挨拶は大きな「気にするな」 生まれた時から離ればなれ 死んだ時から口裏合わす 天の道外れても人の道外れずに 生きる意味だけがズレていく 気がつけば 故郷をさすらい 火がつけば 道を恐れる 私の日課は寝ている小鳥の羽を毟ること あなたの日課は花のない花瓶に水をあげること 気がつけば 過去の中さすらい 居なくとも 快楽恐れる
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