落ちる 上がる

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アスファルトの中は暑い。 サウナの中に居るみたいな温風が体を包み、ブラウスが背中にくっついて不快に感じる。 何もかもが灰色。ちょっぴりコールタールの匂いがする。 窮屈で、出口が無いみたい。 下へ下へ落ちていくにつれて景色は変わって行く。 段段明るくなってきた 新幹線がトンネルから抜ける時みたいに、空気の衝動が体を叩く。その時、あまりの眩しさに目を閉じた
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