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ぼ~くたち~は わたしたち~は す~ばらし~い なかまたち~♪
先生ぇ、さようなら。皆さん、さようならぁ。
今日も保育園を1人で歩いて帰る
4歳の絵理香。
帰り道、きまっていつも、白ねぎがびっしりと生えた畑に入って、白ねぎを引きちぎり、いくつか穴をあけて笛にしていた。
ブ~ッ! ブ~ッ! ブ~ッ!
白ねぎを吹く度、全体がブルブルと震え、とてもお世辞では可愛いと言えない様な、低く太い音が大きく鳴り響く。
もはや、絵理香にとってこのねぎ笛は、帰り道の日課になっていた。
誰のねぎ畑か、どこの家のねぎ畑か、絵理香にはそんなの関係なかった。
知らない人んちのねぎ畑だが、もちろん絵理香に悪意などない。
そして絵理香は演歌が大好きな女の子。
いつもお父さんの車に乗ると、演歌が流れてるから、乗せられる度に自然とその曲を覚えてしまったのだ。
そして、お母さんもまた、いつも演歌を口ずさみながら家事をしている。
洗濯物を干しながら、演歌。
料理をしながら、演歌。
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