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甘えん坊で、いつもお母さんのそばに居たがる絵理香は、
お母さんが口ずさむ歌を聞きながら、毎日1人で折り紙を折っていた。
聞いてる内に自然と覚えた演歌たちは、いつしか保育園の行き来に、絵理香が口ずさむ歌になっていた。
きた~の~ 酒場ど~りには~ 長い~ 髪の女が似合う~♪
絵理香は、保育園で習う童謡と演歌をこよなく愛す、とにかく歌が大好きな子。
歌を歌わない日など、1日もなかった。
家の中で、どんなに大きな声で歌っても、誰も絵理香を怒らない。
歌う事は、悪い事をしたわけではないから、そんな事では怒らない。
お父さんもお母さんも、のびのびとあたたかい目で、絵理香の成長を見守っていたのだ。
元気でいてくれたら、それでいい。
優しい子に育ってくれたら、それでいい。
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