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始まり・壱
ザァー ザァー
【神社境内前】
《赤ん坊》「オギャー オギャー」 雨が降っている静かな境内に赤ん坊の鳴き声が響く―
《赤ん坊》「オギャー オギャー」
―ボゥ 〔黒い光〕
《袴姿の男》「おや?どうしてこんなところに人間の赤ん坊が?」
ゆっくりそう言うと、突然黒い光が袴を身に纏った人型の男に変わった。
見た目は二十歳といったところで、黒髪にすらりと高い身長、歳に似合わず落ち着いた雰囲気を漂わせている。
一見普通に見えるが、袴から出ている黒いしっぽと、深い森を思わせる緑色の瞳が普通とは違うという事を思わせる。
《袴姿の男》「このままでは風邪を引いてしまいますね。どうしましょう・・・・・。」
周りを見渡して見るが人の気配は全く感じない
《赤ん坊》「オギャー オギャー」
《袴姿の男》「ふぅ・・・。仕方がありません。親らしき人も見あたりませんし、連れて帰るとしましょう。」
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