EP.1「プロローグ」

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EP.1「プロローグ」

私はどうも他人に好かれるような顔立ちではないらしい。 朝、ゴミ袋を片手に歩いていたら近所の人たちに会った。私と目が合い、あいさつをしようかと口を開けた瞬間。 「ひっ!」 「い、行きましょ!」 怯えた様子で逃げられた。私が死の呪文でも唱えるような魔女に見えるのだろうか。 「……見えるんだろうな」 同世代の人間と接する機会が少ないまま二十二年間生きてきたせいだろうか、今の流行だとかオシャレというのに非常にうとくなってしまった。 おかげで私服は医者でもないのに白衣を着ている。たまに本当に医者だと間違えられてしまうからいい加減まともな服を買いたいのだが、どういうものが私に似合うのかわからないせいで、服に関してはここ数年間足踏み状態になっている。 「買い物でも行くか」 そういえばもう食べ物がほとんど無い。それに、あわよくば今日こそ服を買おう。そう思いながら、いつもの白衣に袖を通した。
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