プロローグ

5/10
前へ
/56ページ
次へ
『さっちゃん、夕方になったらあの山に近づいちゃいけないよ』  どうして? 『逢魔ケ刻って知ってるかい?』  …?なぁに?それ、 『夕方になるとねこの世とあの世がごちゃ混ぜになっちゃうのさ。それを逢魔ケ刻って言うんだよ。…あの山は特にごちゃごちゃになりやすいの』  …よくわかんないや 『あはは。仕方ないか。とりあえず夕方にあの山に行かないっておばあちゃんと約束しようか』  うん、約束する 『じゃあ指きりげんまんしよう』  うん!  『あ、あとさっちゃんこの唄を覚えておいてね』  おうた? 『そう、おうた。大人になってもおばあちゃんとの約束を忘れないように』  うん、わかったぁ!どんなおうたなの?  そう言うと祖母は深く息を吸った。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加