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それに……髪。
斎藤の髪は、首までしかない。
髪は女の命。
それくらい俺だって分かる。
烏の濡れ羽色の髪は、長かったらもっと綺麗だったんだろうな。
女の命を切り落としてまで組に入ったのか?
それとも別の理由で?
一つ二つと疑問が浮かぶと、それを追うように湧き出てくる疑問。
斎藤が女だって、土方さんは知ってるのか?
山南さんは?近藤さんは?
今まで聞いていた斎藤の話は、何処まで事実なんだ?
――女なのに何故剣を持つ?
「………」
さっっっぱり分からん。
が。
斎藤が新撰組に害なす事はないだろう。
何故なら土方さんに心酔してるから。
………。
まさか実は身体の関係があります……なんて事はねぇ、よなぁ……?
もう一度斎藤をじっくり見てみる。
男なら標準的な背丈……女なら長身な方だな。
細身、というより華奢な体つき。
いつも不気味な程に真っ白い肌。
端麗な顔立ち。
役者みてぇな色男の土方さんと並んだら……。
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