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清々しい朝。
素振りと朝稽古を終えて、自室へと戻る。
稽古を思い返し、反省しながら歩いていると。
「!土方副長、お早うございます」
「あ゛ー……。一か、お早う」
正面から歩いてきた、土方副長。
私が忠義を尽くすと誓ったお方だ。
しかし、土方副長はまだ寝ている刻限なはず。
連日連夜隊務に追われる副長は、皆より少々朝がゆっくりなのだ。
それなのに何故……?
「なぁ、総司から聞いたぜ?」
「……沖田に、ですか」
一体何を?
――まさか……
「暑気あたりで倒れたんだろ?」
あぁ……そっち……。
少し焦ったじゃないか。
「……はい。情けない限りです」
本当に情けない。
倒れるなど、体調管理がなっていない証拠だ。
ぽんぽんっ
「っ!」
自己嫌悪に陥っていた私の頭に、大きな掌が乗った。
「……無理はすんなよ」
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