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沖田に性別が知られてからというもの、沖田はしつこい程に絡んでくるようになった。
やれ汗を拭け、やれ甘味を奢れ、やれ一緒に風呂に入ろう。
風呂に入ろうと言われた時は、本気で足の小指を踵で踏みつけてやったが。
とは言え、うざったいのと財布が軽くなるくらいで特に害はない。
故に放置して過ごしている。
――そして今現在
「そうじゃありません。もっとこう……ビュッ!て感じです!」
「お……沖田先生、ビュッ!て、どのような……」
「んんー。ビュッ!はビュッ!ですよ。……何故伝わらないんでしょう……?」
言っておこう。
それで通じるのはお前だけだ。
「はははっ!まぁーた出たよ!沖田さんの擬音語。アレで通じるはずねーじゃん!」
道場の端で一息吐いていた私に近付いてきた男。
私よりも背丈の低いこいつは、藤堂平助。
見た目の愛らしさに油断すると、痛い目を見るので要注意だ。
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