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<永遠亭>、それが彼女、蓬莱山輝夜の住む居住施設だ。薄暗い廊下を彼女から離れないように少年は歩く。
「そういえば貴方の服装・・・ちょっと変わってるわよね?」
ふいに輝夜が有に話しかける。有の服装は、現代でいう黒のハーフパンツに黒と白の混ざったジャケットを着ている。
「そう・・・ですかね?」
「もしかして外来人なのかしら?」
「がい・・・らいじん?」
「つまり、貴方はこの世界の外側から来たのかっていう質問なんだけど。」
「・・・それが分からないんですよね、記憶喪失みたいで・・・。」
「なるほどね、それで妹紅にお医者様を紹介してもらったって訳ね。」
「そういえば、妹紅さんの雰囲気が輝夜さんに対して異様だった気がするんですけど・・・。」
「あら、いきなり下の名前で呼ぶのね。貴方は。」
「え!?いやだって輝夜さんの上の名前で呼ぶと‘さん’が2つも続いて変な感じになるじゃないですか。」
「まあ、私はどっちだっていいんだけれどもねー。あ、着いたわよ。」
2人がたどり着いた目の前にはふすまの真ん中に十字マークが印してある扉。おそらく、この中に医者がいる。というか、少年はさらりと話題を切り替えられたことを今更ながら気付くのであった。
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