2nd episode

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‘幻想入り’。文字通り、世界から忘れられ幻想の産物となった存在が<幻想郷>というこれまた文字通りに幻想が住む世界に迷い混む事。 「じゃ・・・じゃあ、俺はどこかの世界で生きていた人間、ということですか?」 「あくまで可能性の話だけれどもね。この世界に入るにはもう1つ方法があるのだけれど・・・。」 「なんですか?その方法って。」 「この世界を管理する大妖怪がいるのだけれど、その妖怪の能力で外界とこの世界を行き来できるの。」 「私の事呼んだかしら?」 「う!うわっ!?」 突然、二人の間の空間に亀裂が入り別の空間が生まれた。その空間の中は目玉模様がありなんとも気味悪い。だが、彼にとって驚くとこはそこではなかった。なんとその気味悪い空間の中から少女が顔を覗かせたのだ。 「八雲紫・・・、いるならいるって言ってくれるとこちらとしても助かるのだけれど?」 「時々、すごく驚いてくれる子がいるからやめられないのよねー。そこの少年見たいに。」 空間少女が目線を下に向けると、腰を抜かして床に尻餅をついた有の姿があった。彼は自分の心を落ち着かせゆっくりと立ち上がると 「すみません、少し驚いただけです。」 「少しには見えなかったのだけど・・・まあいいわ。彼女がさっき言った大妖怪の八雲紫(ヤクモユカリ)よ。」 「大妖怪だなんて失礼な紹介の仕方ね。せめて幻想郷の大賢者と言ってほしかったわ。それで、貴方が水無瀬有でしょ?」 「は、はい。そうですが・・・。」 「八雲紫。貴方がスキマから出てきた理由はなんなのかしら?」 すると幻想郷の大賢者(自称)は、‘スキマ’と呼ばれる空間に腰をかけ扇子で口元を隠しながら喋り始めた。
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