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場面が変わり、暗闇の中の有は何をする事もなくただその闇の中に立っている事しかできなかった。歩いても歩いても、前に進んでいるのか後ろに進んでいるのか、はたまた自分はもしかして歩いてないのではないかとも思ってしまう。
自分の姿ははっきりと確認出来るのに音と周りの景色は確認出来ない、異様な空間だ。
「ここは何なんだ・・・。一体何が起こったんだ!?」
「教えてやろうか?」
答えが返ってきた。いやそれ以前に声が聞こえた事に有は驚いた。キョロキョロと暗闇の中を見回し声の出所を探す。そして見つけた。見たことがある青年を。それが自分、”水無瀬有”である事を。
「よう、表の俺。」
「表・・・?」
「ああ、とりあえずお前が表、俺が裏って事で。そんでここは俺が住む世界って事。理解出来たか?」
裏の有はそう話しながらゆっくりと表の有に近づいてくる。表情はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて。
「・・・それで?裏の俺が俺をここに呼んだのか?」
「まあ、そういうこった。」
「目的は?」
「まあ、そう焦るなよ。色々と話そうじゃねーか。兄弟。」
そしてまた場面は変わり永遠亭、有の部屋。時間帯はすでに夜になっていた。輝夜は疲れてしまったのか、有が寝ている布団に覆いかぶさる用に眠ってしまっていた。
「姫様・・・。」
寝ている輝夜にそっと毛布を掛ける永琳の姿。ちなみに2人のウサギたちの姿はない。
「薬の調合、間違ったかしら・・・。」
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