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そして現在、永遠亭から出てすぐ近くの竹林にて輝夜と有はお互いを見つめ合っている。距離はそんなに近くない。
「なあ、何でこんなことやらなくちゃ駄目なんだ?」
「この世界で生きていくためよ?それくらいの術をしていても損はないと思うわ?」
遡る事1時間前、食事を終えた面々は食器を片付けることを後回しにして何かを話している。
スペルカードルール。
この世界、幻想郷に存在する対戦方式らしい。人間と妖怪、つまり人外な存在と戦う為の決闘ルール。弾幕ごっことも呼ばれている。その呼び名から想像する通り、この世界ではそれがあたりまえで遊び程度にもよく行われる勝負事なのだ。
「で、有はまずそれをおぼえなさい?私が教えてあげるわ。」
人差し指をピンと伸ばしながら胸を張って言ったのは蓬莱山輝夜だった。
「でも、まったくのド素人の俺にそんな事が出来るんですかね?」
「出来ると思えば出来る。出来ないと思えばそこまでよ。」
辛辣な言葉を吐いたのは八意永琳だった。
「まあ、でも有さんなら出来ると思います。根拠はないですけど・・・。」
「適当にやれば適当に出来るようになるウサ。頑張るだけでいいウサ。」
「じゃあ、決まりね。少し休んだら私に着いてきなさい?いいわね、有。」
という事があって、今の有と輝夜が向かい合っているというシーンに繋がるのだ。そして輝夜は掌の上に光る弾を作ってみせた。それを有に向かって投げる。
「これが弾幕の形の元になる弾、とりあえず当たって見て頂戴?」
ゆっくりとフワフワと飛ぶその弾は吸い込まれるように有の体に向かっていき、そしてヒットして弾けた。
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