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有は眼を瞑り手のひらに意識を集中させる。それを輝夜は少し離れたとこで見守っている。ただただ、竹林を抜ける風の音だけが響いてとても静かだ。
すると有が突然眼を開けて
「って、なんかコツとかないんですか?」
「イメージしなさい?貴方の手のひらに浮かぶ光の弾を。」
輝夜が答える。
「イメージって言ってもなー・・・剣とか道具なら想像出来るンですけど・・・。」
「あら、貴方、剣を扱えるの?」
「まあ、そうですね。その他にも武術とか近接戦闘系なら得意ですよ?」
「へえー、ならちょっと見せてもらえないかしら?興味があるわ。」
「ええ、良いですよ。」
有は先程と同じ様に眼を瞑り手のひらに意識を集中させると口を動かし
「清き加護を受けた聖剣よ、我そなたの力を欲する者なり。今ここに導かれその魂を具現せよ!」
その瞬間、手を包み込む激しい光が輝夜を襲った。しばらくしてその光が収まると有の手には全体が白い長剣を握っていた。
「すごいわね・・・。」
輝夜は眼を見開いたまま、
その白き剣を見つめている。
「これが俺の相棒、
ブラスターブレードです。」
「へぇー・・・綺麗な剣ね。」
「あげませんからね?」
「ケチ。」
「ケチって・・・。」
「嘘よ冗談。ふふっ。」
そんな雑談をしていると、永遠邸から一匹のウサギが姿を表した。鈴仙だった。
「そろそろお昼ご飯ですよー。・・・うわっ、有さんその綺麗な剣どうしたんですか?」
「それはご飯の時にでも聞けばいいじゃない?さっ、はやく行きましょう?」
「は、はいっ。有さんあとで教えてくださいね?」
「ああ、ちゃんと教えるから。」
有は長剣をどこかに消して、鈴仙と輝夜の後を歩き永遠亭に戻っていった。
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