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「それはそうなんですが・・・ここで嘘をついて運命が変わっても、きっと俺は後悔します。それが最良の道だとしても。だったら、自分の思った通りに素直に進んだ方が後悔もしないです。どんなに辛かろうとそれが俺の選んだ道なら乗り越えて見せます。」
彼の言葉に幻想郷の賢者たる八雲紫は何も言えなくなってしまった。そして、スキマから銀色に鈍く光る剣をその手に握り、そして
「私と勝負しない?」
「・・・はっ?」
突然の言葉にすっとんきょうな声をあげる彼に向かって、その銀色の剣を弄ぶ様に振りながら
「弾幕勝負ではないわよ?もちろん命をかけた勝負でもないわ?強いて言えば・・・貴方の運命をかけた勝負、かしら?」
「それってどういう・・・」
「貴方が勝ったら、貴方の願いを聞いてあげるわ。もちろん、元の世界に返してあげると言うことも可能よ?反対に、私が勝てば貴方はこの世界に新しい人間として住んでもらう。」
「・・・紫さんにメリットは無い様に思うんですが・・・。」
「あるわよ?貴方をこの世界に住まわせる。私は貴方が気に入った。それだけの事よ?」
それだけ、本当にそれだけ言うと彼女はニコッと笑い、剣を有に向ける。
「わかりました。その勝負受けましょう。」
立ち上がり白き長剣をとりだし、同じ様に紫に剣先を向けて構える。
「言っておくけど、これは剣と剣の真剣勝負。私の能力は一切使用しない。それでいいわね?」
「ええ、全力で行きます。」
永遠邸の庭に2人の男女の姿、周りの音は竹林がざわめく音しか聞こえずとても静かである。そして、場面はひとつの足音と共に動いた。
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