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永遠亭を出る少し前、鈴仙の支度が整うまで有と輝夜は玄関先で話をしていた。話題は、何故、妹紅と永遠に終わらない殺し合いをしているのか。輝夜は少しと惑いを見せながらも殺し合いに至った経緯を有に話した。
「・・・そんなことがあったんですね。」
「ええ、若気の至りとも言うのかしらね?まったくあの頃の私はホント調子に乗っていたわ。今でこそ思う。あのときの私は恥ずかしい・・・。」
自分を蔑む様に笑う。
「・・・・・・・。」
「これじゃあ妹紅の恨みを買うのも当然よね?だから私は、あの子の怒りが収まるまで相手をしてあげるつもり。それが何年かかるかわからないけど。」
本当に悔いるように、過去の自分の犯した責任を蔑む様にに、笑う。
「・・・そんなのはおかしいですよ。恨みを晴らさせるなら一緒に共有すれば良いんです。それこそ何年かかるかわからないけれど、殺し合いなんて心が死んでいくだけです。」
「有・・・。でもこれは・・・。」
「でもじゃないんです。本当に申し訳なく思っているなら心から伝えれば良いじゃないですか。妹紅さんだってそんな殺し合いしたくないはずです。」
「貴方に何がわかるの?」
「わかりませんよそんなの・・・でも、傷つけあってるだけじゃ解決出来ないことだってあるんですよ?それに・・・僕が悲しいです・・・。二人とも、僕にとって恩人なんです。だから・・・」
「有・・・。」
輝夜は有の言葉に圧倒され口を閉ざす。そして、少しの間が空くと顔を上げて笑って見せた。
「ありがとう、有。貴方がそんなに真剣に考えてくれてるなんて思いもしなかったけど。」
「輝夜さん・・・。」
「妹紅と仲直り・・・とまではいかないかも知れないけど、頑張って見るね。」
最後に輝夜がニッコリと笑うと、丁度そこに鈴仙がやって来た。背中には何やら背負っていて支度が出来たみたいだった。
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