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「それでは私はこの辺で、お仕事しなくてはならないので。」
すっかり人里に到着する頃には夜になってしまっていた。鈴仙は永琳から頼まれた仕事をこなすためにこれ以上着いていけないらしい。
「悪いな、俺が飛べないばっかりにこんな遅くなっちまって。」
「いえいえ、仕方ないですから。事情を話せばお師匠様も許してくれるはずですし、有さんが気にすることはないのですよ。では、八雲紫。」
「?」
鈴仙が不意に紫に話しかける。
首をかしげる八雲紫。
「有さんの事、お願いしますね?」
そう言って鈴仙は、耳を揺らしながら人里の中心部へ向かっていった。残された紫と有は、
「頼みますねって言われてもねぇ・・・・。」
明らかに困り顔の紫である。
「・・・もうすっかり夜ですし、今日はもう休憩しませんか?」
それに対してとりあえず提案してみる有。
「んー休むなら霊夢の家がいいわ。私の能力で一気に行っちゃいましょう。」
「え?紫さんの能力でですか?」
「はいじゃあ、行くわよー。」
「え?ちょちょえ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!・・・・・・・・・。」
急に表れたスキマにより、落とし穴に填まるがごとく猛スピードで有の体が落ちていった。それを見送る八雲紫はクスクスと笑みを溢しながらスキマに消えていった。
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