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「ええと・・・それはスゴくありがたいことなんですけど、何て言うかその・・・紫さんの様な綺麗な人から言われる経験なんて無いのでどう言えば良いのかわからなくて・・・」
腕を動かしたりそっぽを向いたり落ち着かない様子な有。
「なら、行動で示せば良いんじゃない?」
そう言った途端、紫と有の顔の距離が縮まる。不意な出来事だったため有の顔は真っ赤に染め上がり紫の目線を真っ直ぐ見つめる。そして、紫の右手が有の頬に添えられる。
「あ・・・あの、紫さん?」
「何?」
優しく見つめる紫。
「霊夢さんに用事があるんじゃないですか?」
「今は霊夢より貴方が欲しい・・・。」
どんどん近くなる距離。
お互いの息が交わる。
そして今まさに、二人の唇が重なろうとした瞬間に紫は悲鳴を上げた。
「いったーい!もう少しのところだったのにぃ!何すんのよ霊夢!」
ややキャラ崩壊気味の紫から霊夢と呼ばれた、寝巻きであろう白い服を着た少女。手にはお払い棒である。どうやらそれで紫の頭を殴ったらしい。
「何すんのよじゃないでしょうが、あんたらの会話でこっちは眼ぇ覚めちゃったのよ!しかも何!人ん家の前で発情しないでよ!」
その少女、鬼畜の形相である。
「ホントに痛い・・・、これで私の頭が割れたらどうするつもりなの?」
「はっ!そんなんでスキマババアの頭が割れるか!」
この少女、不機嫌である。
「今の発言は頂けないわよ霊夢?ちょっと“お姉さん“カッチーン来たわよこれ。」
この少女も、不機嫌である。
「良いわよ受けてたつわよ。ソッコーあんたぶん殴って夢の中でご馳走を一杯食べるんだから!」
この少女、なんとも悲しい。
そんな一触即発の雰囲気の中に空気化していた有が2人を落ち着かせる為に声をかける。
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