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「ストップストップ!お二人とも落ち着いてください!霊夢さん、安眠の邪魔をしてすいませんでした。紫さん、俺達はケンカする為に来たんじゃないんですよ?」
霊夢には軽く頭を下げて謝り、紫には冷静になるように促した。2人はお互いの顔を見合わすと溜め息を吐いた。そしてお互い引いた。
「まぁ、わかってくれれば良いのよ。」
「そうね、危うく本来の目的を見失うとこだったわ。」
「で?私に何か用?て言っても、こんな時間に来ないで欲しいわ?紫と違ってこっちは人間なんだから普通に寝るくらいはするんだから。」
言葉の中に棘がある霊夢。
「・・・この子は水無瀬有って言うのだけどね、有の能力を貴女に見てもらおうと思ってきたのよ。」
「ふぅーん・・・あんたまた外から連れてきたの?いい加減にしなさいよ賢者設定なんだからそういう遊びはさ。少しは調整する私の身にもなってほしいわ。」
何かと発言がおかしい霊夢。
「・・・いえ、有は勝手に幻想郷に来たのよ。しかも、記憶がない。全くではないのだけど大事な部分が欠落しているのよ。」
「ハァ?何でそんな面倒な事なってんの?永琳んとこには連れてったの?」
「この子が最初に発見されたのは竹林なの、もう永琳には見せて薬も作ってもらったけど結局治らなかったわ。」
「ふぅーん、それでなんやかんやで幻想郷の賢者たる八雲紫と勝負してなんやかんやでここの世界に住むことになったと。」
「霊夢さん、何でそこまで知ってるんですか?」
「勘よ、勘。紫とは一応付き合いも長いしだいたいそんな感じじゃね?って思っただけよ。はぁ・・・とりあえずさ、私寝ていいかな?もう空が赤みがかってるんだけど。」
霊夢の表情が少女とは言い難い、目を開けるのも辛そうだった。とても見てはいけない様な顔だった。
「そうね・・・霊夢がもう限界そうだから時間を開けましょうか?」
「わかりました。霊夢さん、夜分遅くに失礼しました。」
「・・・んー、じゃあ私は寝るからおやすみー・・・ふぁぁー・・・。」
霊夢は欠伸をしながらふらふらと揺れながら部屋に入っていった。
紫と有は、スキマに入り賽銭箱の前から姿を消した。
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